火曜日の憂鬱 -インド人と日本のお菓子ー

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以前、新しく入社してくれた日本人が、北海道出身であった。
そのため、日本からのお土産がレーズンバターサンドであった。
これには日本人社員一同テンションが急上昇し、6つあったバターサンドの3つが一瞬にして胃袋に消え行く。


「美味しい、ただただ美味しい…」


なんで日本のスイーツはこんなに美味しいのか、どうしてもこの美味しいお菓子をインド人の口に含ませてやりたい。

 

 

インドにて、インドのご飯を、インド人と一緒に食べると、インド人の「食べてみ?」ラッシュが始まる。
「これは?ほら食べてみ?これもほら?美味しいやろ?な?な?そやろ?」
といった具合に、食卓に並んだ全ての料理を、余すところなくオススメされる。


お、おぉ、美味しいな…、これ、お前が作ったんかい?と聞くと、「うちのシェフだ!」とドヤ顔される。
お前ちゃうんかい。

 

 

一方、こちらが日本食をすすめると、しかめっ面をして、断ってくる。
「そんなもの、人の食べ物じゃないわ・・・」という具合の顔である。
宗教の戒律があるため、ある程度は仕方ない、それは理解しているものの、そんなに全力でバリアしなてくも・・・

 

しかし、お菓子だけは別なのである。
日本のチョコレートだよー。というと目を輝かせる。
それはそうだろう、インドのお菓子は、なにやら小麦粉を丸めたものを、ガムシロップにぶち込んだだけの物体である。
それでも、彼等は、「ほらほらー、インドのお菓子は美味しいよー」と言ってすすめてくるのだが。

 

そのため、日本からお菓子を買ってきては、彼等に食べさせる。ダースやグミなどはとても受けが良い。そして、今回はレーズンバターサンドだ。

先ずはノンベジタリアンに渡す。それでも、何故か毎回警戒される。
次に、ベジタリアン(菜食主義)に食べたい人~と言うと、必ず「何が入ってるの?」と聞いてくる。

 

ベジタリアンでも、色々あるようで、食べていいものダメなもの、その基準は宗教の宗派によってそれぞれである。
今回も素材表を見ながら、小麦粉~、砂糖~、と読みあげていくと、卵~ のところで、Oh~という溜息が発せられる。


「あれ?卵ってだめだっけ?」というと、「今日は火曜日よ!」と返される。
そんな、火曜日よ!とか言われても。。。

 

どうやら礼拝の関係で、曜日によって食べれるものが異なるらしい。
そうか、それはすまんかったな、ほなら明日食べたらいいんちゃうか。と説明する横目で、ノンベジタリアンが一口食べた後に「美味しい…」と一言。
そうすると、「やっぱり私食べるわ…」と言って手を伸ばしてくる。
さっきの火曜日よ!はどこいってん。
とツッコミたくなるくらい、インドの宗教は厳格なのか自由なのか、もはや良く分からない。

 

 

 ちなみに、どのお菓子をあげても、絶対にその場で手を付けないインド人マネージャーがいた。
ある日彼に、「どうして食べないんだい?」と聞いたところ、
「僕がこのお菓子を家に持って帰ると、息子が、パパが日本に行ってきたんだ!と大喜びするんだ…」と照れ笑いをしていた。

 

そんなパパに、私もなりたい。
嫁探しの旅は、終わらない。